墓じまいは、現代の少子高齢化や家族構成の変化により、選択する人が増えています。しかし、墓じまいを進める際には、費用や手続き、そして必要書類など、しっかりと理解しておくべきポイントが多く存在します。この記事では、墓じまいを行う際にかかる費用や具体的な手続きの流れ、そして必要となる書類について解説します。
墓じまいを考える際、多くの方が気にされるのは費用の問題です。墓石の解体費用は、お墓の規模や場所によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり10万〜15万円程度が相場とされています。例えば、地方の小規模な墓地と都市部の大規模な霊園では、費用に大きな差が出ることもあります。また、解体に加えて、取り出したご遺骨を新しい納骨先に移す際の費用も考慮する必要があります。これは新しい納骨先の選択によっても大きく異なり、樹木葬や納骨堂などの場合は比較的安価ですが、一般墓地への再納骨ではさらに費用がかかることがあります。
手続きに関しては、まず親族との話し合いが不可欠です。特に、先祖代々の墓を処分するという決定は感情的な問題を引き起こすことが多く、全員の同意を得ることが重要です。また、お墓が所在する霊園や寺院の管理者にも事前に連絡し、手続きの詳細を確認しておく必要があります。たとえば、寺院にあるお墓の場合、墓じまいをすることで「離檀（りだん）」と呼ばれる檀家制度からの脱退が必要になるケースがあり、この際に「離檀料」が発生することもあります。これに関しても、事前に寺院との合意を取り付けておくと、後々のトラブルを避けられるでしょう。
必要書類についても、事前にしっかりと準備しておくことが大切です。墓じまいを行う際には、「改葬許可証」が必須です。この許可証は、ご遺骨を移動するために必要なもので、現在のお墓がある地域の自治体で申請します。申請には、既存の墓地管理者の署名・捺印が必要な「埋葬許可書」と、新しい納骨先の管理者が発行する「受入証明書」が求められます。これらの書類を揃えて申請を行うことで、自治体から「改葬許可証」が発行され、ご遺骨を正式に移動することが可能となります。
墓じまいは、さまざまな手続きや費用が伴うため、慎重に進めることが求められます。特に、必要書類の不備や手続きの遅れがあると、計画通りに進められない場合もありますので、余裕を持って準備を進めることが大切です。家族や関係者と十分に話し合いを重ね、全員が納得した上で進めることで、スムーズな墓じまいを実現できるでしょう。